脂肪吸引手術を考えているとき

これって失敗?!脂肪吸引後の「拘縮」のメカニズムと対策について

「拘縮」っていったい何?

脂肪吸引の術後に「拘縮(こうしゅく)」が起こる可能性についてご存じでしょうか。

拘縮は元々介護用語で、専門的には「関節部を包む関節包及び関節包以外の関節を構成する軟部組織(血管や筋組織、神経組織など)が変化し、
可動域制限を起こした状態」のことを指すのですが、一般的にはケガや病気などにより長期間体を動かしていない状態が続くことで関節が硬くなり、動きが悪くなる状態のことを指します。

関節周辺の皮膚や筋肉が伸縮性を失っているため、無理矢理に動かそうとすると痛みを感じるケースもあります。

この拘縮、脂肪吸引の術後1週間ほどで起こる症状なのです。脂肪吸引した部位の皮膚が硬くなり、ボコボコしてしまいます。この症状が出ると、「もしかして脂肪吸引が失敗してしまったのかも!」と不安に感じてしまう人も多くいます。でも安心してください。この拘縮という症状は、何もしなかったとしても多くの場合、数ヵ月ほどで自然治癒します。

 

脂肪吸引のダウンタイムとは?

拘縮が起こるのは、術後のダウンタイムです。
ダウンタイムとは「回復するまでの期間」という意味です。脂肪吸引のダウンタイムには段階があります。
最初は痛みがある期間です。脂肪吸引のあとは、どうしても痛みが出ます。
吸引する部位によって範囲が違ってくるため、痛みに違いが出ます。
ポイントは、顔以外は隠れるので、痛みが引いてしまえば人前に出られるということです。
続いて、腫れや内出血の出ている期間です。脂肪吸引後は程度の差はありますが、腫れや内出血が出ます。
洋服で隠れる部位であれば気にしないで大丈夫です。そのあとに、腫れが引いたらむくみが出ます。
このむくみのため、脂肪吸引の効果はまだ実感できません。ここで「失敗かな?」と思う人も多いようですが、これも安心してOKです。
そして、吸引したところが硬くなっている期間、つまり拘縮の期間に移ります。脂肪吸引した部分はいきなり細くなるわけではなく、一度硬くなってから少しずつ柔らかくなります。なお、この拘縮のあいだは触ると不自然に堅いので、わかる人には脂肪吸引を疑われる可能性があります。もし誰にも気付かれないようにしたい場合は、このときに注意を払う必要があります。

 

拘縮の実際の事例

脂肪吸引の術後の拘縮を実際に経験した人の声を聞くと、拘縮がどのようなものかわかると思います。

  • 引き締まり感というか、拘縮が強く出ているので、これから細くなってくれることに期待してます。
    強く拘縮が出たことにより、マッサージがとてもやりにくい!ぜんぜんほぐれてくれないので、鉄パイプをマッサージしてる気分。
  • 一日中立っていたため、夜にはふくらはぎがとてもむくんでいました。拘縮のせいで再び階段がきつくて…。内出血は一時期より小さくはなったものの、まだ足全体に分布してます。
  • 今日、真っ直ぐ立ってもひざがくっつかなくなりました。拘縮の堅痛い感じが強くなってきたので、まだ細くなるのかな? と期待しています。昨日、歩き回ったため前日夜はかなりむくんでいて、どうなるんだろう? と思いましたが、マッサージをして寝たら回復しました。

・拘縮が強くなった気がします。むくみと拘縮で、やっぱり階段が登れなかったです。

・超音波マッサージをやってから、拘縮が和らいだ気がします。ひざもだいぶ曲がるようになって、正座以外ならもう大丈夫。

 

これらの声で拘縮が一体どんなものか、何となく理解できるのではないでしょうか。「鉄パイプをマッサージしてる気分」「拘縮のせいで再び階段がきつく」「正座以外ならもう大丈夫」。こうした記述から、脂肪吸引を足に施すと、足が硬くなり、曲げたり伸ばしたりの運動が難しくなることがわかりますね。

 

なぜ拘縮が起きてしまうの?

そもそも、なぜ拘縮が起きてしまうのでしょうか。これは、脂肪吸引によるダメージから細胞が修復反応を起こすことが原因です。
脂肪吸引では、極細の吸引管で真皮と筋肉のあいだの組織である皮下層の細胞脂肪を吸引します。
脂肪を吸引することで、その脂肪があった部分には空間ができ、周囲の組織がダメージを受けます。
そのため体は、脂肪吸引後にできた空間を修復しようとするのです。皮膚が硬くなり、でこぼこしているように感じるのは、修復部分でノリのように働く繊維質の影響です。

 

拘縮を早く終わらせるためにはアフターケアを大切に!

拘縮は、放っておいても自然に治癒するものですが、治癒までの期間をもっと短くしたい場合は、術後のアフターケアを大切にしましょう。家でのマッサージや病院でのケアなどを行うことで、より早くきれいに拘縮状態が治癒します。具体的なセルフケア方法について紹介します。

 

  • 湯船に長く浸かり血流改善

内出血状態の解消には、まずたくさんの酸素を体の隅々まで運ぶことが大切です。手術後1週間ほど経過したら、血流改善のためのセルフケアを行いましょう。血流改善のセルフケアの中でもお手軽なのは、湯船に長く浸かることです。軽い運動や食事療法などもあります。自分に合った血流改善方法を選びましょう。

 

  • マッサージは心臓に向かって

血行促進のためにも、マッサージの際には心臓に向かって優しくさすってあげることを心掛けましょう。らせん状にくるくると弧を描きながら、心臓に向かって優しくさすっていきます。

 

  • 硬くなっている部分はほぐす

拘縮している部分は、ほぐして改善しましょう。引きつっているように感じる場合は、圧迫や押し伸ばしをすることで、徐々に回復していきます。ぐりぐりと指圧をしながら、しこりをほぐしていきましょう。

 

  • 軽いストレッチ

抜糸後1週間ほど経過したら、ストレッチで引きつった部分を伸ばしていきましょう。ストレッチは、軽いものでかまいません。運動前の準備としても、きちんと体を伸縮させて可動域を広げていくことが大切です。

 

病院でのアフターケアなども取り入れてみましょう

自然に治癒していく拘縮ですが、よりきれいな仕上がりを求めるのであれば、クリニックでのアフターケアなども取り入れてみることをおすすめします。早く改善したい場合やきれいに仕上げたい場合は、クリニックでマッサージ施術などを試してみましょう。

拘縮は細胞が修復するための正常な身体反応です。自然と治癒していくものであり、決して施術の失敗ではないため安心してください。また、術後のアフターケアを心掛けることで、より早くきれいに治癒することができます。今回紹介した方法もアフターケアの参考にしてみてください。