脂肪吸引手術を考えているとき

脂肪吸引は妊娠の前?後?妊婦に及ぼす影響について

美しいボディラインを実現するために効果的とされ、近年人気を集めている脂肪吸引。一口に脂肪吸引といっても、実はさまざまな種類があります。また、ふさわしいタイミングもあります。ここでは、そもそも脂肪吸引とはどんなものかについて、また、正しいタイミングについて解説します。


そもそも脂肪吸引ってどんなもの?

通常、食事や運動によるダイエットは、肥大した脂肪細胞を小さくしようとします。ところが、脂肪吸引の場合は脂肪細胞の数自体を吸引で減らします。脂肪の層は2層にわかれています。

1つは細い血管や神経が走る皮下脂肪、2つめは血管や神経がないLFD(local fat deposit)です。

LFDは人が飢餓状態、つまり生命維持が脅かされる事態になるまで蓄えられている脂肪で、普段は燃焼されません。脂肪吸引では、このLFDを中心に皮下脂肪の一部を取り除きます。

吸引で取り除けるのはせいぜい1~3リットル。500cc以下のこともあります。あまりに多く吸引するのは賢明ではありません。通常のダイエットを考えれば、脂肪1リットルは、ほぼ体重1キログラムに相当します。これは7,200kcal相当なので、運動によっては2週間で減量可能な量といえます。


脂肪吸引にはどんな種類があるの?

多岐にわたる脂肪吸引の方法の中でも一般的な方法を取り上げ、その特徴を紹介します。

・シリンジ法

機器を使用せずに手作業のみで行う脂肪吸引法で、古くから用いられている方法のひとつです。「チューリップシリンジ」という注射器を使用することから、この名で呼ばれるようになりました。

手作業なので吸引量の細かい調整が可能で、施術時の出血量が少ないというメリットがあります。ただし、太ももやお腹など、大量の脂肪を吸引する部位には向いていません。また、技術習得が難しい上に、施術そのものに労力を要するため、経験豊富な医師にしてもらうことが肝要です。

・脂肪溶解レーザー

ある程度レーザーで脂肪を分解したあとに吸引する方法です。より自然に脂肪を吸い出せるのが特徴です。直径1ミリほどの細い「カニューレ」を挿入し、レーザー照射をしながら脂肪を吸引していくため、脂肪が少ない部位に向いている治療法といえます。

・ボディジェット法

カニューレからジェット水流を噴射することで、脂肪を分離させながら吸引していく方法です。施術後の痛みや腫れ、むくみ、内出血などを抑えられるのが特徴です。脂肪細胞を血管や神経から離して吸引するため、周辺組織を傷付ける心配が少ないのもメリットといえます。

 

脂肪吸引をするのに向いている人

今では気軽に行える脂肪吸引ですが、向く人と向かない人がいます。脂肪吸引の施術に向いているのは、下記のような人になります。

  • 皮下脂肪が多い人
  • 短期間で痩せたい人
  • 全身性の肥満ではなく部分痩せしたい人

お尻から脚、太ももの裏にかけての全体にぜい肉が付いている脂肪太りタイプで、部分痩せをしたいという人に、脂肪吸引は向いているといえます。
「お腹周りをすっきりさせたい」「二重あごをなくしたい」「たぷたぷ二の腕を引き締めたい」など、部分的なシェイプアップが目的の人にとって、脂肪吸引は非常に効果の高い施術と考えられます。

 

脂肪吸引はしたいけど、妊娠・出産に影響は?

脂肪吸引のカウンセリングを受ける人の中には、「ウェディングドレスを美しく着たい」「一番美しい自分で記録に残りたい」といった、ブライダルエステの延長線上にある理由で脂肪吸引を検討される人もいらっしゃると思います。
仮に結婚の予定がなくても、脂肪吸引を受けた直後に妊娠が判明したり、予定外に赤ちゃんを授かったりすることもあるかもしれません。

もし、脂肪吸引の手術を受けた場合には、将来妊娠や出産に何か影響を及ぼすことがあるのでしょうか。
また、脂肪吸引を受けてすぐ妊娠してしまったときや、帝王切開または別の病気で手術することになった場合に、お腹周りの脂肪吸引を受けたことは何も影響しないのでしょうか。
ここでは、妊娠中や産後すぐの脂肪吸引は可能なのかといったことについてお伝えします。

 

検診を受ける病院には脂肪吸引を報告するほうがベター

結論から言ってしまうと、多くのクリニックの「よくある質問」に記載があるとおり、脂肪吸引をしたあとに妊娠や出産をしても何も問題はありません。
脂肪吸引で取り除く脂肪は、あくまでも皮下の脂肪層だけで、その下の内臓脂肪にまで手を加えるわけではないため、施術自体が成功していれば妊娠や出産に影響はなく、帝王切開になっても問題はありません。
妊娠に限らず、ほかの病気や疾患であっても、脂肪吸引をしたことが影響を及ぼすこともありません。

ただし、妊娠後に検診を受ける産婦人科で、これまでの手術歴や病歴について申告する必要がある場合は、脂肪吸引を受けたことを報告しておいたほうがいいでしょう。
本当に支障がないのか、黙っていて不安な気持ちで過ごすよりも、正直に伝えて問題がないことを確認したほうが安心です。
脂肪吸引したことを伝える恥ずかしさよりも、赤ちゃんがお腹の中で健やかに育つことのほうが大切なのです。

 

脂肪吸引後の妊娠に問題はないが、妊娠中の施術は避けよう

このように、脂肪吸引をしたあとに妊娠しても、妊娠中に体が回復していれば出産にはまったく問題はありません。
お腹の皮膚が薄くて破れるといったこともなければ、赤ちゃんに何か影響を及ぼすこともないので、心配は無用です。ただし、妊娠中に脂肪吸引の手術を受けるのは避けましょう。

脂肪吸引では、皮下の脂肪しか取らないので、その下の内臓脂肪に何か影響を及ぼすことはないのですが、施術の際には痛み止めや麻酔薬を使用するため、お腹の中の赤ちゃんに影響がないとはいい切れません。
脂肪吸引を受けるなら妊娠前か、出産後なら1ヵ月ほど経過したあと、または薬の影響を考えて授乳を終えたころに受けるのがいいでしょう。産後の体調が回復する期間には個人差があるので、脂肪吸引を受ける時期については出産後にクリニックに相談してみるのがおすすめです。
過去の脂肪吸引による影響は、妊娠や出産はもちろん、ほかの病気や手術が必要な場合でも特に心配する必要はないのですが、妊娠中の施術は控えたほうが良さそうです。
妊婦中は脂肪吸引を我慢して、お腹の中の赤ちゃんを育てることに専念し、出産後にお腹についた脂肪をまとめて吸引したほうが効率もいいでしょう。